家族のための「死」
前回、「死」について語ろうというイベントを実施しました。
ここでは様々な気付きがあったわけですが、一番大きかったものはやはり、死を語るうえで、「家族」の存在は切り離せないということです。
それはどういうことかといえば、自身の死を語るうえで、何が不安かといえば、自身が死にゆくことよりも、遺される家族のこと。
遺される家族が悲しむから死にたくない。悲しませないように死にたい。迷惑をかけないように死にたい。こういう、遺される、遺されていく人(家族)の目線で、死を語ることがほぼだったんです。
前回のイベントでは、がん当事者と医療者との対話を実施しました。それは、がん当事者である私自身が、家族と「死」についての話をしたかったから。
でも、もっと大事なのは、家族ががん当事者についての「死」について、オープンに話ができることだと思ったんです。そういう機会が必要だと感じたんです。
そこで、家族で語り合えるイベントを開催します。
日時:2019年1月27日(日)14:00~17:00終了予定
※受付開始:13:45~
場所 :東京都港区浜松町2-6-2 浜松町262ビル2階(株式会社ワークハピネス内)
JR線「浜松町」駅南口改札金杉橋口徒歩2分
都営地下鉄 浅草線・大江戸線「大門」駅A1出口徒歩5分
※地図URL:https://goo.gl/maps/uHx2quQxpap
※JR浜松町駅からお越しの方は、「南口改札」「金杉橋口」出口からお越しください。
対象 :キャンサーペアレンツ会員の配偶者のみなさま
人数 :20名程度
※申し込み多数の場合には、その時点で締め切らせていただきますので、ご了承ください。
参加費:無料
内容 :14:00-14:10 オープニング(アイスブレイク)
14:10-14:30 ミニトーク
西口 洋平(キャンサーペアレンツ代表)
14:30-16:00 対話セッション(ワールドカフェ形式)
16:10-16:30 全体セッション
16:30-17:00 アンケート記入/交流タイム
※内容は変更になる可能性があります。
※少しですがお飲み物を用意しております。
※テレビ等の取材、撮影が入る可能性がありますので、ご了承ください。ただし、参加者のご意向を尊重しますので、ご安心くださいませ。
※お子様とご一緒での参加については、特段ご用意がないことをご理解のうえご参加ください。
【主催】
一般社団法人キャンサーペアレンツ
【運営協力】
株式会社ワークハピネス
がん当事者の方がキャンサーペアレンツの会員で、その配偶者の方を対象にしたイベントになっています。がん当事者がおらず、ご家族同士だけで、語り合う機会もなかなかないと思います。また、そのテーマが「死」ということで、なかなか難しいイベントになるかもしれませんが、ご参加いただけた方々にとって、実りのあるものになるようにしたいと考えています。
ご都合が合えば、ぜひご参加ください。
よろしくお願いします。
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ひさびさの福岡
こちらのイベントで、福岡へ行ってきました。
医療従事者向けセミナー2018 in 福岡「医療者間のコミュニケーション」 | 肺がん医療向上委員会
福岡を訪れるのが、記憶のある限りでは3度目。
最初は、こどものころ。南海ホークスのファンだった家族。ダイエーホークスになり、はじめて福岡ドーム(ヤフオクドーム)に応援へ。おじいちゃんとおばあちゃんも一緒だったので、最終回まで見れずに球場を後に。すると、負けていたホークスが最終回でサヨナラという劇的な幕切れ。その瞬間に立ち会えなかったのも、思い出。
2度目は、学生のころに、親戚の結婚式で。当時は、大学や仕事で、家族みんなで会うことがなかなかないなかで、久しぶりの再会。その日は、みんなで実家である大阪へ帰ったわけだが、その時を待っていたかのように、愛犬のジョンが亡くなっていた。みんなが揃うをまっていたかのようなタイミングで、今でも鮮明に覚えている。
そんな思い出がたくさんある福岡。
今回はあまり時間がない中でも、時間を無駄にせずに、いろいろ足を運んでみようと。
東京から福岡へ向かう上空。雲の下の街は夜。雲の上は、夕焼けがキレイ。
宿泊したのは、中洲からほど近い「5TH HOTEL」。改装されてキレイになっていたが、もともとはファッションホテルだったのかな・・・。
夜ごはんは、まったく写真がとれず。朝ごはんは、マヌコーヒーにて。
土曜日の朝ということもあって、お客さんはほとんとおらず。静かな店内で、ゆったり。
あいにく、サンドイッチがなく、チーズケーキといっしょにマヌラテ。
イベントまでの時間は、福岡散策。こちらは、東長寺。
東長寺にある五重塔。夜にはライトアップされるみたい。
キレイに舗装された承天寺通り。この脇にも、たくさんの寺院がある。
「素直に人の忠言を聞く人は幸福になる」
博多千年門。
福岡市の姉妹都市である、広州やオークランド、ボルドーのしるし。
お昼前に、イベント会場へ。
「ママのバレッタ」のお話もしっかりと。
中西先生、瀬戸先生、後藤先生をはじめ、松本さん、白石さん、田中さん、そのほかたくさんの方にサポートいただきました。ありがとうございました。
イベント終了後、東京へ帰るまでの時間で、中洲の屋台へ。
やまちゃん!
店内は大混雑。ラーメンとビールを急いで、かきこむ。
そんな福岡でした。
時間がない中でも、いろんなところを見れたのは良かったです。また、イベントでの、医療者とのコミュニケーションについてでしたが、患者側からの目線として、「わかってくれない、ツライこと」問題、「何でも相談してね」問題の2つについては、大きな反響がありました。
これらについては、また別で書いてみたいと思います。
ありがとうございました!
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「死」について語るイベント
10月20日(土)に、浜松町にあるワークハピネス社のコミュニケーションスペースにて、みんくるカフェとキャンサーペアレンツのコラボイベント「死について語ろう。医療者とがん当事者で。」を開催しました。
「死」を語ることはタブーなんでしょうか。「死」を考えることで「生」を見つめることができるんではないでしょうか。「死」を意識したことがあるがん当事者と、「死」に触れる機会がある医療者との対話を通じて、「死」について、明るくまじめに話し合っていきたいと考えています。
なぜこんなイベントをしようと考えたのか?
2015年に、5年生存率3%というがん告知を受け、「死」を考えました。しかし、その「死」について、家族と面と向かって話をすることはできませんでした。そこには、「死」を認めたくない、受け入れたくないなどの気持ちと、ぼくへの配慮などもあったのかもしれません。
でも、「死」のことについては、話し合っておきたい。
ネガティブで話したくないかもしれないけど、話しておかないとなぁ。
どうすればいいんだろう。
でも、かたやこんな想いもありました。
死を考えたときに、生きたいと思った。生きたいなんて、考えたことなかった。
— 西口 洋平/キャンサーペアレンツ (@nishigucci) October 11, 2018
生きる理由、生きたい理由、生かされている理由。そんなことを考えるようになった。
その理由が大事なんではなく、考えること自体が大事なんだと思う。
ぼくは、いま、生きている。
そんなところから、「死」というテーマについて、オープンに話せる場所があればいいな。そんな風に漠然と思っていました。
そんなときに、昨年、医療者とがん患者さんのぶっちゃけトークを一緒に開催していただいたみんくるカフェの孫大輔さんとお話する機会があり、今年の開催の打診とともに、テーマを「死」にしてはどうかと相談させていただきました。
※こちらは昨年開催したイベント
孫さんから、「医療者としても、患者さんと話をしたいテーマだし、参加される方々の学びは多いと思う」ということで、賛同していただくことができ、「死」をテーマにしたイベントを開催する運びとなりました。
「死」を語る、5つのテーマ
人数が多すぎず、少なすぎずの人数感で、ゆっくりと話しができるように。がん当事者10名、医療者10名の計20名にて、ワールドカフェ形式でワークを進めていきました。
※ワールドカフェとは
5つのテーブルを用意し、それぞれが違うテーマとしました。
『死とは何か、生きるとは何か』
『理想の死に方』
『自身の死、家族の死』
『最後の晩餐』
『死後の世界観』
この5つにしたのは、ぼく自身が気になっていることだからです。それ以外では、このテーマに設定した大きな意味はありません。とにかくこのことについて、話がしたかったわけです。
それぞれのテーブルを15分ずつ、4つ回って話をするというスタイルとしました。15分では当然短く、15分が終わるごとに、名残惜しそうに席をあとにする方が多く、活発に対話が行われていたことが伺えました。
自身の死よりも、家族への配慮や気遣い
ワールドカフェが終了後、各テーブルでの対話内容をシェアしていくと、がん当事者の世界観よりも、「自身(が死ぬの)は良いが、家族の立場で死を経験するのはつらい」「家族のことを想うがために、死がツラいものになっているのではないか」「目の前の人に死んでほしくないと想うのが、家族の正直な気持ち。自身の想いだけで死期をきめられない」などの話しが多く出てきました。
これは、がんという病気を経験し、そのことを公にしたうえで、かつ、こういったイベントに出てきているという一定のバイアスはあるものの、そういった意見をもった方が複数いるというのは、僕のなかでは大きな気付きとなりました。
各テーブルで対話された内容がこうして紙に書かれています。なんとなく雰囲気を伝わるかと思います。
※参加者アンケートのコメント
Q、新たな気付きや、学んだことについて
死の正体はわからない。
死はただの事象。
死は平等。
でも意味付けをしようとする、なぜ?
残される側の喪失の受け入れ方としての意味付け。
得体が知れない、でも、そこにあることへの恐怖。(がん体験者)
「死」は自分自身で完結できるものではなく、残された家族や友人にとってのものであること。本人はただそこからいなくなるのみ。その喪失感・空間をどのように埋めるのかは残された者の仕事である。その埋め方は死んだ者には教えることも何かを残すこともできない。まかせるしかない。そのように考えると自分ひとりで決めていると思っていたこともそうではなかったのではないかと感じた。(がん体験者)
患者さんは家族や周りの方々のことをよく想い考えていること。現実的な視点を持っていることを改めて知りました。(こういう場に来る方々だからかもしれませんが)
患者さんとご家族、他大切な方々が十分な対話がもてるよう医療者としてはサポートしていきたい、それが大切だと改めて思いなおしました。ロマンチックをどう現実らしく輝かせられるかを一緒に考えていけたらと思います。(医療者)
医療者は「話し合ってください。今後のことを決めてください」と当たり前のように言うが、当事者の人にとってはすごく負担が大きい。やりたい気持ちがあっても簡単にできることではない。
家族と一緒に過ごせる「今日」の時間を大切にしようと思った。何か特別なことはしない。一人で悶々としていたが対話できたことで気持ちが楽になった。自分ひとりが悩んでいることではないと改めて気づけた。(医療者)
Q、今後の活動や生活にどんな影響を与えそうか
家族や本人も含めた「最期」をどう豊かに過ごすために資格を取り、患者さんに関わるときに「死」についてフランクに話せるように関わっていけたらなと思うようになった。生きる人に対して一人ひとり考えは違うから寄り添うことが大切で、話を聞くことが大切なのだと知ったから、しっかりと寄り添えるようになりたいと思いました。(医療系学生)
死について語ってもよい空気をつくっていきたい。こちらから積極的に語っていくのは難しくても。そして「あんたにはわからないだろう」と言われることを恐れず向き合っていきたい。(医療者)
ナースとして、患者さんと家族が向き合うためにできることは何かないか考えたい。対話の場に積極的に出向いていきたい。(医療者)
医療者としては患者さんや家族と向き合い続けたいと思う。一方で、自分自身のこととして考えたとき、夫や娘とも話してみたいと思う。家族の価値観も知ることは大切だなと思った。仕事として向き合うのとは違う難しさがあると気づかされたことは大きな気付きだった。(医療者)
もっともっと子供と話し合い、お互いが何をどう考えているかを理解していこうと思った。自分の意志が必ずしも家族の価値観にそぐわないこともあるかもしれないので、それのすりあわせをしようと思います。(がん体験者)
やはり、死というのは生きるものにとって未知なもの。全部がつかめなくてしょうがないし、それが自然だと力が抜けることで死をむやみやたらに怖がることは不要かなと思いました。だけど、やはり「無」になることはときどき無性に悲しくなります。(がん体験者)
「迷惑をかけない」という本当の意味について、考えるようにしようと思った。
死ぬ人が考える迷惑⇔この世に残る人の考える迷惑
この違いが重要であること。このすりあわせをテーマにしたい!(がん体験者)
今回のイベントを通して、やっぱり「死」について家族と話をしないといけないと思いました。それは、お互いにツラいことかもしれないし、避けたい話題かもしれない。でも、そのプロセスこそが、生きている時間を充実させることにつながるかもしれないし、死にゆく人、看取る人の心やもろもろの準備が進み、お互いにとって納得のいく最期を迎えられるんじゃないかと感じました。
参加された方々はそれぞれ感じたことを、身近な人とシェアをしながら、もっと「死」をタブーとしないような雰囲気になればと思います。そして、より今を生きるということにフォーカスできれば、いいんじゃないかなと。
※当日の夜、NHKニュースに
今後も「死」については、ぼく自身の大きなテーマなので、また違う角度から対話ができるような場をつくっていきたいと考えています。
今回のイベントにご参加いただきましたみなさん。また、開催に際して、サポートいただいたすべてのみなさんに、感謝申し上げます。
本当にありがとうございます。
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「ママのバレッタ」予約開始!
キャンサーペアレンツのえほんプロジェクト第一弾、「ママのバレッタ」が予約開始となりました!
アマゾン(amazon)で予約可能です。
商品の説明
内容紹介
「ママががんになった」 ——大好きなバレッタも つかえない。 抗がん剤で脱毛した母とのやりとりを、ユーモアを交えながら娘の目線で描く物語。がんと診断されこれから抗がん剤治療に取り組む方、現在抗がん剤治療中の方に、ぜひ親子で読んでいただきたい絵本です。
出版社からのコメント
子育て世代のがん患者コミュニティ《キャンサーペアレンツ》企画ですが、「闘病記」ではなく、抗がん剤治療に取り組むママとそれを見つめる娘の日々の暮らしを綴った「日常の物語」です。ぜひ親子で読んでいただきたい絵本ですーーもちろん、パパもご一緒に。 「バレッタって何?」という医療関係者にもお手にとっていただきたい一冊になっています。
これまで、様々なことがあり、それを奇跡的にクリアし、ここまでたどりつきました。あちらにいった仲間も見ているはずです。
ここからが、スタートです。
多くの方に届けることができます。そして、もっともっと届けていきます。そこには、また新たな課題やニーズがあり、プロジェクトとして取り組むことが出てきます。チャレンジはずっと続いていきます。
第2弾、第3弾と並行して進めながらも、その中で得た経験をまた別の分野にも活かしていきたいとも考えています。
ぜひ、これからも応援をお願いいたします。
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これまでとこれから
■告知後の治療
胆管がんの告知。すぐに手術をするものの、腹膜とリンパ節に転移があり、手術不可。その後は、胆管にステントを留置し、化学療法(抗がん剤治療)へ。数回は入院しながら実施し、その後は通院。
■1年後にアレルギー
当初、二つの抗がん剤を併用していたものの、一つの薬剤にアレルギー反応が出たため、使用不可になる。その時に、セカンドオピニオンに行き、再度手術の可能性があるかを確認したものの、「可能性が極めて低い」との見解。その後、残された一つの抗がん剤のみを投与することになる。
■3ヵ月に一度のCT検査
治療開始からは、3ヵ月に一度は必ずCT検査を実施する。今日にいたるまでの3年半の間は、驚くことに大きな変化がなくこれた。一度だけ、肺に怪しい影があるということで、呼吸器科に回れされたものの、異常なしでセーフ。かれこれ、20回ほどの検査で、毎回造影剤を使用するが、これはいまだに慣れない。
■腹膜播種が・・・
今回の検査では、主治医の血相が変わっていて焦る。画像を見ながら、腹膜のあたりが明らかに変化が出ていて、腫瘍マーカーは明らかに急上昇していると。そして、今後の治療をどのようにするのかについての話に発展する。標準治療の中で残された選択肢は2つ。今の薬剤と最後の薬剤の併用。もしくは、最後の薬剤の単剤のどちらか。これで標準治療は終了。来週に、再度主治医と相談タイムを持つことに。家族とともに。
さて、ここからが難しいところ。
標準治療をベースで考えながらも、様々な方法を模索しなくてはならないのか。ここで考えなければならないのが、何を優先するのかだ。
胆管がん。これは厄介だ。
この3年半もったのがラッキーなぐらいで、ここからさらに欲を出すのはおかしいのかもしれない。とはいえ、まざまざと死ににいくようなこともしたくはない。それは家族も同じ想いだと思う。じゃあ、どうする?
厄介なこと。それは、治療の選択肢が少ないこと。標準治療は次で最後になる。つまりこれが何を意味しているかというと、保険適用で受けられる最善の医療が終わることを意味する。とはいえ、治療がないわけではない。あるのは、保険適用外の治療。
(適用になる治験は検索中)
もちろん、今以上にお金がかかる。そこにチャレンジするのか。個人的には、あまり望まない。それが効くかもしれなくても。いずれなくなる命と、残されていく人に大切なお金。そんなことを合理的に考えてしまう。
そんな合理的な考えでは整理できないのは理解しているものの、なかなか難しい。
さあ、どうする。
死の話をすることと、諦めることとは、同じことちゃうからね。#今日はケモの日
— 西口 洋平/キャンサーペアレンツ (@nishigucci) October 12, 2018
これまでが奇跡やったわけで。今はアディショナルタイムなわけで。いつ死んでもおかしくないわけで。そんなわけで、朝から何も食べてないから、まずはラーメン食べる。#今日はケモの日
— 西口 洋平/キャンサーペアレンツ (@nishigucci) October 12, 2018
命の長さを左右するような治療の選択を迫られたとき、今後の生き方をどうするかを決断しなければならない。確実な方法があればラクだが、そんなものはない。何をリスクととらえて、何を優先するのか。自分だけでなく、家族の想いも。これから続くであろう決断の連続に、どこまで楽観的でいられるのか。
— 西口 洋平/キャンサーペアレンツ (@nishigucci) October 13, 2018
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おとなの週刊現代
先日の週刊現代で掲載いただいた記事が、こちらの「おとなの週刊現代」の中でも、紹介させています。
シニアの幸せを考える週刊現代「健康」増刊。名医が飲んでいる市販薬、がんになったら払わなくていいおカネなど、本物のおとなに送る
記事の中に出てくる有名人は、元チェッカーズの高杢さん、ジャーナリストの大谷昭宏さん、タレントの生稲晃子さんなどのがん経験者。その中で、私が最後にちょろっと顔を出すという場違い甚だしい感じになっており、恐縮です。
このテーマのタイトルにあるように、「病気を治した」と言えればいいのですが、なかなかそう簡単にはいかないのも、この病気の怖いところです。
治療は続いていきますが、めげることなく、粛々と治療をしながらも、さまざまなことにチャレンジしていきたいと考えています。
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長野朝日放送で紹介いただきました
先月、長野朝日放送(abn)にて、がんと仕事に関する放送があり、その中でキャンサーペアレンツ会員の方のお話と、キャンサーペアレンツのことについてもご紹介いただきました。
abn 信州がんプロジェクト ~知ろう、考えよう、がんのこと~ » 信州のがん最前線Vol.14「がんと仕事と人生と」(9月29日 土曜 午後3時30分)
内容としては、2人の働く患者さんの治療や職場とのリアルな場面が映し出されており、わかりやすいものでした。大変ななかでも、しっかりと生活や仕事ができるという、治療との両立に希望が持てる内容になっていました。
石川さんは、キャンサーペアレンツ会員の方で、先日行われた名古屋での「キャンサーペアレンツの集い」に足を運んでいただき、その様子も取り上げられていました。
名古屋での集まりにて、男の子から「ぐっちさんだ!」と声をかけられて、嬉しくなりました。家で、お父さんと一緒に見て知っていたとのこと。
様々な場所で、こうして頑張っている方がいるし、そういう人を支えている職場がある、そんなことをもっと知ってもらえれば嬉しいですし、少しでもその情報が伝わっていくことや、環境をつくっていくことにキャンサーペアレンツとして、推し進めていければと考えています。
これからも、よろしくお願いします!
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39歳になりました。
2018年10月8日、39歳になりました。
たくさんの方にお祝いのコメントをいただき、本当にありがとうございます。
正直、ここまで来れると思っていませんでした。なにか、変な感じです。
35歳で、ステージ4のがんを告知されて(5年生存率2.9%)、先行きもわからず、でもそれなりに楽しく生きてきました。あれよあれよというまに、告知から3年半が経過したわけです。
元気なんです。それは、主治医も驚くほど。
こんなに元気だと、ヘンなことも起こるわけです。
たとえば・・・
『病気になる前よりも、仕事が忙しい』
『元気すぎて、取材などで拍子抜けされる』
『病気になった時、あわせてていった旅行の意味を考える』
『短いと思っていたから、長生きすることが不安に変わる』
『がんが治った人、がんを克服した人と、間違われる』
などなど。
まぁ、それはそれで楽しんでいます。
相変わらず、私のおなかの中には、がん細胞があります。手術ができず、現在の抗がん剤治療では、それがなくなることもありません。治療が終わることもありません。エンドレスです。
そんな状況にも関わらず、ここまで元気に、普通の生活ができていることには、何か理由があると思わざるをえません。
自身の問題から、勝手に必要性を感じて、キャンサーペアレンツを立ち上げた。
たくさんの出会いの中で、勝手に役割を感じて、キャンサーペアレンツを続けてきた。
こどもがどう想うかは関係なく、勝手に考えて、今の仕事が生きた証になればと考えてきた。
勝手にやってきたんです。自分がやりたいから。
でも、そこには何か意味があるんじゃないかと、勝手に考えています。
別にこういう考えを誰かに押し付けることも、強要することも、理解してほしいわけでもありません。そういう風に考えたほうが、自身で納得できるということだと思います。そうなんだと思います。35歳でがんになった理由が欲しいだけなんだと思います。こんな活動をやっていることに、理由が欲しいだけなんだと思います。それだけなのかもしれません。
現在、キャンサーペアレンツは、会員数が2,300名を超えました。
周囲に同世代のがん経験者がまったくいなかった状況が、一変しました。ここには、たくさんの仲間がいます。もう孤独ではありません。
これからも、僕の勝手にお付き合いいただける方がいればいいなと思いますし、より良いサービスにするために、ご協力いただける方がいればいいなと思います。
39歳になれたのは想定外ですが、これからも勝手に生きていきたいです。
これからも、よろしくお願いいたします。
死ぬまで、よろしくお願いいたします。
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がんアライ宣言・アワード
昨年に発足した「がんアライ部」。
わたしも発起人として、この部活動に参加してきました。
今回、この活動をより盛り上げていくために、また、様々な企業のベストプラクティスを見える化することで、他の企業でも使えるようなものにしていこうと、「がんアライ宣言・アワード」を開催することになりました。
第1回「がんアライ宣言・アワード」には国内企業21社にエントリーいただき、本日開催の授賞式ならびにがんアライ部第5回部会(勉強会)にて、表彰企業の取り組み内容と合わせて各賞の受賞企業を発表しました。
本宣言・アワードでは、①各企業に、がん罹患者の味方「アライ(ally)」であることに加え、がんとともに働きやすい企業であることを宣言いただき、②具体的な取り組み内容を記載のうえアワードに応募いただきました。優れた取り組みを表彰し、社会でノウハウを共有することで、がん罹患者ががんの治療をしながらいきいきと働くことができる社会を目指すものです。
発起人メンバーで構成する選考委員による選考会において、各企業の制度および風土を含めて審査を行い、「ゴールド」「シルバー」「ブロンズ」の各賞を付与しました。
【ゴールド】12社
伊藤忠商事株式会社株式会社エーピーコミュニケーションズ
株式会社MTG
ガデリウス・ホールディング株式会社
株式会社クレディセゾン
コロプラスト株式会社
サッポロビール株式会社
日本航空株式会社
野村證券株式会社
株式会社日立システムズ
三井化学株式会社
株式会社ローソン
【シルバー】5社
株式会社アートネイチャー株式会社エグゼクティブ
合同会社SHIBUYA PUBLISHING BOOKSELLERS
日本オラクル株式会社
ハウスコム株式会社
【ブロンズ】3社
株式会社グローバンス
株式会社GRCS
株式会社繋
今回が第1回目ということで、まだまだはじまったばかりです。治療しながら働くということで、もっと当たり前のしゃかいになるように、できることはたくさんあると考えています。
いろんな方々からの意見を聞きながら、この活動を進めていきたいと思います。
まずは、がんアライ部のFacebookページへの「いいね!」と、がんアライ宣言をしていただくことを、お願いいたします。
また、こんなことをしてほしい、こんな勉強会をやってほしいなど、ご意見をお寄せいただければ嬉しいです。
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企業と患者の協働について
先日、ある企業内の研修に呼んでいただき、お話をさせていただきました。
私自身の体験談ももちろんですが、大きななテーマは「協働」でした。
つまり、企業としては、患者さんのために何かできないかと考えているものの、何をしていいのかわからないので、それを見つけるきっかけにしたいということ。
キャンサーペアレンツの活動をやってきて、3年目。
様々な企業と関わりを持たせていただきました。中には、ずっとお付き合いを続けているところもあれば、逆に1回ポッキリのお付き合いだったところもあります。
キャンサーペアレンツは、一般の患者団体とは違い、会員である患者さんから会費を一切もらっていません。会の運営だけでは、お金が入ってこないわけです。つまり、運営を続けていくためには、その他からお金をいただく必要があるわけです。
そのときのポイントになるのが、企業との協働だと考えています。
そもそも、お金のことももちろんあるわけですが、こういったことを考えているのにはもっと大事な理由があります。それは、「患者さんが参加することが、生きるチカラにつながる」と考えているからです。
患者になると、支えられる側の存在として「のみ」みられがちですが、それだけではなく、自らの体験や経験を通じて、生き難さを感じたその環境(社会、会社など)を、自らのアクションで変えていくことができると考えています。また、キャンサーペアレンツは、子育て世代で、働く世代で、社会との接点が多い世代なので、我々がやる意義は非常に大きい。
そういう役割や使命を持って取り組むことが、生きがいにつながっていく。こどもの世代には、社会を変えることができているんではないかというワクワク感もある。
そんなふうに考えているからこそ、患者さんの中だけでとどまることなく、積極的に社会とつながり、社会を変える一助になり、生きがいを得て、生きるチカラに変えていく。そのためにも、様々な方々と協働していきたいと考えています。
しかし、なんでも一緒にやればいいというわけではありません。
この図は、当たり前の話なんですが、患者団体を取り巻く環境などを見ていると、当たり前ではありません。右下の「良いけど続かない」が非常に多く(一方的な支援要請や、社会の流れだからという理由のみなど)、左上の「良くないけど、続けられる」は患者団体には不評(企業の利益ばかり、打算的に見えるなど)で、お互いが協働に対して良いイメージを持っていない印象です。
基本に立ち返ると、お互いのメリットを考えることが大事なことは誰でもわかります。
こういうと、何かドライに感じられる方もいるかもしれませんが、患者団体側もその活動を継続していくためにも、継続的な取り組み(お金につながる何か)が必要なわけです。そういった意味では、「一瞬の良さそうなこと」よりも、「ドライそうだけど、中長期でお互いにとって良いこと」を、タブーなく議論することが大事だと考えています。
それが、継続できる取り組みにつながる、第一歩なんだと思います。
キャンサーペアレンツの活動も、うまくいかないことばかりですが、こういった考えをもって、できる限り、患者さんとともに、様々な方々と、様々なテーマでアクションを起こしていきたいと考えています。それが、お金にもなり、社会の理解促進や環境改善につながり、何よりも患者さんの生きるチカラにつながると信じています。
※患者側からこのような、ある種ビジネスライクな話を聞くのはじめてだったようで、「肩の荷が下りた」「もっと柔軟に考えてみよう」「企業目線で発想しよう」みたいな発言を聞くことができ、素直に嬉しかったです。
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