企業と患者の協働について
先日、ある企業内の研修に呼んでいただき、お話をさせていただきました。
私自身の体験談ももちろんですが、大きななテーマは「協働」でした。
つまり、企業としては、患者さんのために何かできないかと考えているものの、何をしていいのかわからないので、それを見つけるきっかけにしたいということ。
キャンサーペアレンツの活動をやってきて、3年目。
様々な企業と関わりを持たせていただきました。中には、ずっとお付き合いを続けているところもあれば、逆に1回ポッキリのお付き合いだったところもあります。
キャンサーペアレンツは、一般の患者団体とは違い、会員である患者さんから会費を一切もらっていません。会の運営だけでは、お金が入ってこないわけです。つまり、運営を続けていくためには、その他からお金をいただく必要があるわけです。
そのときのポイントになるのが、企業との協働だと考えています。
そもそも、お金のことももちろんあるわけですが、こういったことを考えているのにはもっと大事な理由があります。それは、「患者さんが参加することが、生きるチカラにつながる」と考えているからです。
患者になると、支えられる側の存在として「のみ」みられがちですが、それだけではなく、自らの体験や経験を通じて、生き難さを感じたその環境(社会、会社など)を、自らのアクションで変えていくことができると考えています。また、キャンサーペアレンツは、子育て世代で、働く世代で、社会との接点が多い世代なので、我々がやる意義は非常に大きい。
そういう役割や使命を持って取り組むことが、生きがいにつながっていく。こどもの世代には、社会を変えることができているんではないかというワクワク感もある。
そんなふうに考えているからこそ、患者さんの中だけでとどまることなく、積極的に社会とつながり、社会を変える一助になり、生きがいを得て、生きるチカラに変えていく。そのためにも、様々な方々と協働していきたいと考えています。
しかし、なんでも一緒にやればいいというわけではありません。
この図は、当たり前の話なんですが、患者団体を取り巻く環境などを見ていると、当たり前ではありません。右下の「良いけど続かない」が非常に多く(一方的な支援要請や、社会の流れだからという理由のみなど)、左上の「良くないけど、続けられる」は患者団体には不評(企業の利益ばかり、打算的に見えるなど)で、お互いが協働に対して良いイメージを持っていない印象です。
基本に立ち返ると、お互いのメリットを考えることが大事なことは誰でもわかります。
こういうと、何かドライに感じられる方もいるかもしれませんが、患者団体側もその活動を継続していくためにも、継続的な取り組み(お金につながる何か)が必要なわけです。そういった意味では、「一瞬の良さそうなこと」よりも、「ドライそうだけど、中長期でお互いにとって良いこと」を、タブーなく議論することが大事だと考えています。
それが、継続できる取り組みにつながる、第一歩なんだと思います。
キャンサーペアレンツの活動も、うまくいかないことばかりですが、こういった考えをもって、できる限り、患者さんとともに、様々な方々と、様々なテーマでアクションを起こしていきたいと考えています。それが、お金にもなり、社会の理解促進や環境改善につながり、何よりも患者さんの生きるチカラにつながると信じています。
※患者側からこのような、ある種ビジネスライクな話を聞くのはじめてだったようで、「肩の荷が下りた」「もっと柔軟に考えてみよう」「企業目線で発想しよう」みたいな発言を聞くことができ、素直に嬉しかったです。
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