35歳でのがん告知、最後の仕事。

35歳、妻と子(6歳)を持つサラリーマンに訪れた、突然のステージ4のがん告知。自身と同じ境遇の人たちが繋がれる「キャンサーペアレンツ~こどもをもつがん患者でつながろう~」(https://cancer-parents.com)を立ち上げ、治療と平行して活動を続けている。最後の仕事の記録とする。

Peer-provided Early Palliative Care

久しぶりの更新になります。

更新がなかったことで、「大丈夫か?」「心配です」「生きているのか?」などのメッセージをいくつかいただきました。いざという時には、いずれかの方法でお知らせします。ご期待にそえず、申し訳ありません(笑)

 

さて、難しい英語のタイトルですが、まじめな話です。

 

キャンサーペアレンツは、がんのパパママのためのピアサポートサービスです。ピアとは、同じ病気を体験した仲間という意味ですが、キャンサーペアレンツは「パパ」「ママ」という部分に絞ってコミュニティを形成し、その中でお互いがお互いを支えあうという相互依存型のピアサポートサービスとなっています。つまり、誰かがサポートする側で、誰かがサポートされる側という関係ではなく、「サポートしあう」というこれまでの患者会活動などとは一線を画すものだと認識をしています。

 

2015年2月に私が「がん」の告知を受け、私自身が感じた孤独感、こどもや家族との関係性に悩みを抱き、同じ境遇の「仲間が欲しい」と、2016年4月にキャンサーペアレンツを立ち上げました。

 

今では全国で3,500名以上の方にご登録をいただき、少しずつ認知をいただけるようにもなってきました。しかし、このキャンサーペアレンツの取り組みが、本当に患者さんのためになっているのか、患者さんの気持ちをラクにしているのか、この問いには常に向き合ってきました。

 

そんな中、キャンサーペアレンツの取り組みや考え方に共感をいただき、これまで様々な調査などを行ってきた国立がん研究センター東病院とともに、ある考え方を社会に対して提案しようということになりました。今後、この考え方について研究を進めていきながら、認知を広めていきたいと思います。

 

それが、『Peer-provided Early Palliative Care』です。

 

詳細については、こちらをご確認ください。

bit.ly

 

~一部、文章の抜粋~

早期からの緩和ケアにおける、がん体験者(ピア)の提供するケアの位置づけ~Peer-
provided Early Palliative Care~

 

【概要】
がんの患者の生活の質を向上させることを目指し、早期からの緩和ケアが勧められている。現在、早期からの緩和ケアの提供は医療者主導で行われている。患者はがん治療のことだけではなく、生活や仕事、子育て、親との関係、介護などたくさんの問題を抱えている。これらの問題に対し、患者は同じがんの体験をした方(ピア)に相談してみたいと考える方は多く、特に同じ年代のピアからのサポートはがん患者の生活の質を向上させることに非常に役に立つと考えられる。今回、私たちは、がん体験者(ピア)の提供するケアを、Peer-provided Early Palliative Care として、早期からの緩和ケアのひとつの形として位置付けることを提案する


【新しい緩和ケアフレームの提唱】
緩和ケアはがん治療において必要不可欠であることは論をまたないが、2010 年の Temelらの報告以降、早期からの緩和ケア(Early Palliative Care)は医療者主導の介入研究が行われており、患者の Quality of Life(QOL)や抑うつの改善などの効果を示してきた[1]。Temelらの研究のサブ解析では、早期からの緩和ケアの実施内容としては、症状や病状理解、対処行動に関すること、がん治療に関する意思決定への支援、終末期に関する話し合い、関係性の構築、家族への対応などが行われてきた[2]。医療者主導の早期からの緩和ケアには臨床現場における実施可能性という点で、どのように提供体制を構築していくかという課題を残している。


(中略)


今回、我々は、子育て世代のがん患者に対する支援を通して考えられた「がん体験者により提供される早期からの緩和ケア(Peer-provided Early Palliative Care)」というフレームを提唱する。

 

(中略)

 

【まとめ】
がんと診断された方は、これから自分がどうなっていくのか、他の方たちは実際にどのような生活をしているのか、という情報を診断後早期の段階で最も必要としている。この情報に接する機会を早期の段階から積極的に提供することは、患者ががんと診断された直後の精神心理的ストレスが最も大きい時期を乗り越え、適応していくことに寄与できる可能性があると考える。必要な情報を適切な時期に提供されることは、緩和ケアのひとつの要素であると定義されており[11]、ピアサポートもその情報を提供することで緩和ケアを提供しているとみなすことができる。ピアが提供するサービスに関する情報を診断後早期から医療者が提供し、患者のアクセスを促すことにより、ピアが提供する早期からの緩和ケア(Peer-provided Early Palliative Care)を早期からの緩和ケアのひとつの形として位置付けることができると考える。

 

2020 年 2 月 21 日
一般社団法人キャンサーペアレンツ代表理事 西口洋平
国立研究開発法人 国立がん研究センター東病院
緩和医療科 小杉和博・三浦智史・松本禎久

 

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ぜひ、ご一読をいただき、皆さんからのご意見・ご感想をいただければ幸いです。

 

 

 

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