幸福になる
がんを告知されたとき、ぼくは恐怖感とともに「孤独」を感じました。
なぜ僕だけ?みんな元気そう。僕だけなんだ。。。
そんな気持ちから、ポジシティブになれる(なったかどうかはわからないが)までには、相当程度の時間が必要であった。
治療を継続しながらも、仲間ができ、サービスを立ち上げ、カミングアウトし、事業化に向けて奮闘する。
そんな日々のなかで、感じていること。
いろいろ考えて、アクションして、ダメでも進みながら、また考えて、アクションして。
そんなことをしていると、いつの間にか、がん告知から2年10ヶ月が過ぎていて。胆管がんのステージ4は、5年相対生存率が2.9%(全国がんセンター協議会の生存率共同調査による)にも関わらず、元気に過ごすことができている。毎度のCT検査でも、目だった腫瘍の増大が認められず、非常に順調にきています。
何が原因なのかは正直わかりません。
事実として、
・主治医のもと、胆管がんにおける標準治療を粛々と行っている
・その他の治療は一切行っていない
・食べ物に制限を設けず、食べたいものを食べる
・アルコールもほどほどに
・睡眠はしっかりとる
・キャンサーペアレンツを立ち上げて、法人を作り、運営している
・がんに対する啓発活動をおこなっている
こういったことが挙げられる。
もちろん、治療がうまくいっていることはあると思うが、私のカラダの中の声を聞いてみれば、やはりそれだけではなく、様々な活動を通じて「社会」との接点を持ち、相当程度の心理的インセンティブ(報酬)を得ているからではないかと考えている。
様々な人との出会い、感謝の言葉、励ましの言葉、期待の言葉、そして、社会が少しでも良い方向に変わっていくという実感を持てていること。
これが、闘病していく上で、治療を進めていく上で、いや、生きていく上でとても大事な観点なのではないかと考えています。それがあるからこそ、生きていると実感でき、生きる楽しみになる。
僕は今、ストレスもほとんどなく、気持ちよく仕事をすることができています。キャンサーペアレンツの活動については、まだまだこれからではあるものの、幸せであるといえます。
つまり、最初は「ひとりぼっち」からスタートしたとしても、キャンサーペアレンツを通じて、仲間と出会い、自らの体験などを社会に発信することで、がんの理解を広げていく。そして、しっかりとビジネスにし、期待にこたえていく。結果、生きがいを手に入れ、生きるチカラになり、幸せを感じられるのではないか。
人は必ず死にます。
生まれた時から、死に向かって生きているわけです。
その死のときに、「幸せであった」と死ねるかは大きなテーマ。
キャンサーペアレンツの活動が、がん患者さんを孤独から解放し、社会との接点を作り、生きるチカラにつなげ、幸せ度数をあげていく。カラダにも良い影響を及ぼす。
私がそうであるように、そんなことを本気で実現したいと考えています。
いずれ死にゆくそのときまで、生きていく。長さではなく、その中での「幸せ」を追求していきたい。そして、人生が幸せであったと、最後に言える。
キャンサーペアレンツ
今後ともよろしくお願いします。