ダイバーシティ
この言葉、良く耳にします。
私もがんになってから、もうすごい巻き込まれていった感じです。
ダイバーシティとは、
「多様性」などの意味を持つ英語。綴りは「diversity」。労働における「人材の多様さ」の概念などとして用いられる場合がある。
(実用日本語表現辞典)
とのこと。
ここでいう多様性、多様さとは、「それぞれの人の、その人らしさ」ということを指しているのかと思うんですが、なかなかそんな風には解釈されていないと感じます。
つまり、「女性」「LGBT」「病気」とか、なんかそんな状態や状況に対しての話になっていて、なんかしっくりこない。確かに、「女性活躍」とか「両立支援」みたいなものが大事ですが、それがそのままイコール、ダイバーシティではない。
お互いの『個性』を理解し、尊重する。目的や考えを明確にし、ともに進む。
理解できていなかったり、価値観を変えられなかったり、目的がずれていたり、そんなところには、ダイバーシティは実現しえない。
特徴的な状態の人だけでなく、本当の意味で、多様な人が、その人らしく、活躍できるコミュニティが大事なんだと思う。
個性に大きいも小さいもなく、あるのは、その人そのもの。70億人分の1人。
ぼくは、がんの人でもあるが、西口洋平、その人である。
AYA Cancer Summit 2017
11月4日(土)、聖路加国際大学の日野原ホールで開催される「AYA Cancer Summit 2017」。私も少し参加させていただきます。
AYAは、Adolescent and Young Adultの略で、15~39歳の思春期・若年成人世代のことです。 AYA世代のがんは、あまり社会に認知されていませんが、就学・就労・恋愛・結婚・妊娠など特有の問題を抱えており、その他の世代のがんと比べ、治療開発の遅延や、心理・社会的支援体制の不足などが課題として上げられています。
このサミットは、「AYA世代のがん体験者でつながり、よりよく生きられる社会を、がん種を超えて共に考えたい」という思いで企画しました。
著名な先生方による講演に加え、様々ながんを経験されたゲストサバイバーを交えたパネルディスカッション、AYA世代のがん体験者がモデルになるファッションショーや恒例のフラダンス、また合唱など、企画盛りだくさんです。
AYA世代がん体験者だけではなく、家族や友人、医療者、一般の方など、皆様にご参加いただき、立場を超えて「知って」「考える」一日にしたいと考えています。
~お申し込みはコチラから~
私もたくさんの方とお会いできるので、とても楽しみにしています。ご都合があう方は、ぜひ現地でお会いしましょう。
よろしくお願いします。
自分のために
35歳で胆管がんを告知され、ステージ4の5年生存率が一桁台であったことから、死を意識し、悩み、もがき、そのなかでできたキャンサーペアレンツ。
何のために、キャンサーペアレンツを立ち上げ、運営をしているのか。
もちろん、若い世代のがん患者のつながりを作り、仲間を増やす。実情を把握し、取り巻く環境を改善していく。誤解や偏見をなくしていく。そんな、様々なことにつながっていくはある。
ただ、僕がキャンサーペアレンツをやる最大の理由は『自分のため』。
これまで生きてきた中で、自分が自分である(あった)ことを証明するために、何かをこの世に残したい。生きた証を。
それは何なのか?自分らしいものとは何か?
それは、社会人になって大半の時間を費やしてきた仕事。自己表現のカタチは、やはり、仕事でした。
最期をむかえるまで、ぼくは仕事として、キャンサーペアレンツを自分のために、自分そのものとして、カタチにしたい。
最期の仕事。
それは、自分のためにする仕事。
座談会第2弾
メットライフ生命さまでの座談会。その第2弾が公開になりました。
第1段は、こんな感じでした。
今回の第2弾では、「術後の生活の変化、家族への思い」がテーマです。
がんになって変わる生活と家族への思い、
闘病で夫婦の絆は深まる?がん治療をすることで、毎日の暮らしが変わってきます。
治療を受けられた経験者とご家族は、どのようにがんと向き合い、
生活の変化に適応していったのでしょうか?
男性・女性での、家族への思いや接し方の違いは見逃せません。
当日、進行を担当した私は、男性・女性双方の話を聞いたのですが、男女で捉え方の違いはここまで違うのかと驚きました。
記事もできる限りリアルな内容に近くなっています。
キャンサーペアレンツとしてこういった発信を通じて、少しでも、がんとともに生きることに対する理解が広がっていけばと考えています。
がん暮らしフェア2017
11月3日(金・祝)、こちらのイベントでお話しをさせていただきます。
山田邦子さん率いるスター混声合唱団の楽しい歌声を聞くこともできます。ご都合があう方は、ご参加ください。
がん治療中でも、心地よく暮らしたい、できるだけ仕事もしたい。そんな患者さんやご家族のための、暮らしの知恵や工夫を集めた展示や、がん治療をしながら働いている当事者による、治療と仕事の両立についての体験トークショー、スター混声合唱団コンサート、ヨガやハンドマッサージなど盛りだくさんのイベントです。
入場無料、参加のお申込みも不要です。ぜひ、お気軽にお立ち寄りください。
【がん暮らしフェア2017】 考えよう、体験しよう!がん治療と暮らし・仕事
■日時 11月3日(祝・金) 11:00~16:45
■会場 総合病院厚生中央病院 ロビー (アクセス)
(東京都目黒区三田1-11-7)
11月3日(祝・金)、「がん暮らしフェア2017」を厚生中央病院(東京・目黒)にて開催します。スター混声合唱団もやってきます!ぜひ、ご参加ください!
http://www.ribbonz.jp/assets/files/gankurashi-Fair2017_1002.pdf
ナオさんの日記(16)
第16話になりました。
「かあかね、抗がん剤、やめることにした」(かあか=お母さんの意)と言うと、意外な反応......
返事がないので顔を見ると、声を出さずに泣いていました。
「えーっ!なんで泣いてんの?」と聞くと
「よかったなあ、と思って」よかった?
「これでもう、しんどくないね。かあかがしんどくないのが、一番うれしい」
「でもかあか、死んじゃうかもしれないよ」と言うと、
「うん」
「いいの?」と聞くと
「よくないけど、しんどいのはかわいそうやった」
静かに泣き続ける息子。
こんなに静かに、ぽろぽろと涙だけ流すのは初めて見ました。
「これで一緒にお出かけできる?」
「うん」
「サッカーも見にきてね」
「うん」
私も一緒に泣きました。
日経ソーシャルビジネスコンテスト
キャンサーペアレンツをずっと続けていくために、働く世代・子育て世代の患者の声を世の中に発信していくために、事業化は非常に大切なテーマであると考えています。
そんな中で、このコンテストに応募し、1次審査を通過できたことは、素直に嬉しいし、これからビジネスとしてブラッシュアップできるのは、ワクワクする。
大事にしたいのは、「会員(がん患者)のアクションが価値を生む」ということです。ビジネスのネタは、すべてココからはじまります。
2013年から4年間実施し、多くの優れた活動を表彰してきた「日経ソーシャルイニシアチブ大賞」を一新し、「日経ソーシャルビジネスコンテスト」を開催することになりました。
これは、ソーシャルビジネスに興味のある方々に対し、チャレンジの場を提供することにより、ソーシャルビジネスの裾野拡大と、企業や自治体、NPO、NGOとの連携を視野にした、オープンイノベーションを目指します。
今年は「海外支援」と「地方創生」のテーマについて、新規のビジネスアイデアを募集します。
ぜひ皆様からのご応募をお待ちしています。
http://social.nikkei.co.jp/doc/NSBC_1st_finalist.pdf
来年1月の最終審査に向けて、たくさんのダメ出しをしてもらいながら、反省しながら、より多くの方と連携していけるように、そして、活動の幅が広がるように、チャレンジを続けていきたいと思います。
中京テレビ「キャッチ!」
今年2月、名古屋での「キャンサーペアレンツの集い」から取材がはじまり、10月に放送となりました。
東京にいたので、生放送では見れませんでしたが、後日、録画を見ました。
感動しました。泣きました。
ここに出てくるお二方は、キャンサーペアレンツの会員の方です。様々な影響を承知で、取材を受け入れてくれました。本当にすごいお母さんです。そして、おこさんもすごいです。すごい家族です。本当にありがとうございます。
めぐみさん(キャンサーペアレンツでのニックネームは、「あやしょこう」さん)は、この番組が放送される直前の、2017年10月6日(金)にお亡くなりになられました。
あやしょこうさんの言葉、しっかりと受け取りました。最高のおかあさんです。
ご冥福をお祈りいたします。そして、もうしばらくしたら、また会いましょう。
人事向け、がんと就労勉強会
10社ほどの大企業の人事の方にお集まりいただき、「がん治療と仕事の両立について」というテーマで、伝えるだけでなく、インタラクティブに、また、ワークをしながら、みんなで考えました。
(リクルートワークス研究所主催の「アルムナイゼミナール2017」におけるひとつのテーマとして)
正解がない問題で、それぞれの会社の状況やスタンス、組織、体制などによって対策は異なります。大事なのは、事実を理解し、問題意識を持つことからです。
私からは、働きながら治療をしてきたイチ当事者との体験談。そして、支えてくれている会社のスタンス。その中で感じた、「患者と一緒につくる」「信頼貯蓄」という考え方。そして、会社が大事にしている「人理念」。
闘病中の社員がいる、友人ががんになりサポートしたいけどどうすればいいか、これからの問題として、など、様々な理由で参加されていました。
まだまだ、がんに対する感度の高い人事の方でさえ、知らないことはたくさんあり、対策も会社単位では様々なですが、これからという印象です。
がんになっても、働いていけるように。
発起人として参加している「がんアライ部」の活動とともに、治療との両立支援の分野においては、もっと積極的に活動をしていきたいと考えています。
死を考える
キャンサーペアレンツを立ち上げて1年半。
嬉しいことがたくさんありました。その反面、もちろんわかってはいたことだけど、仲間の死にもたくさん触れてきました。
人一倍、誰かのために。
そんな想いが強かった方が多く、そういう想いに救われてきた人の気持ちは余計に強く。
つい最近まで元気だった方。
(いや、それは私たちの前では「元気なフリ」をしていたのかもしれない。)
涙が出てくるものの、それは、なんか違う感情。ぼくも、近々、そちらに行くことになるので、それまでのしばしのお別れなんだ。また、会える。
死を考えることは、生きることを考えること。
死とは何か、生きるとは何か。
頭のなかをグルグルするが、ぼくは今日も元気に生きている。それでいい。
今日も一日、自分のために生きる。誰かのためにつながることを願って。
仲間のご冥福をお祈りします。