治験薬の副作用
治験を開始して、およそ2ヶ月が経過しました。
どんな副作用が出ているのかを、自己の振り返りも含めてまとめておきたい。副作用のことを振り返ろうと思ったのは、自身が新たな薬剤をカラダに入れる際に、効き目はもちろん、その副作用に怖さを感じて、かなりビビッていたからです。だからこそ、みなさんに知って欲しいと思いました。
もちろん、私個人の意見や感想なので、同じクスリで同じ副作用が出るとは限りません。強く出たり、弱く出たり、ここに書かれていないものが出たり、もしくは出なかったり、色んなケースがあるかと思います。でも、何も情報がないよりはマシだと思いますので、話半分程度で聞いていただければ。
まず、服薬している治験薬は、胆道がんを対象とした分子標的薬である「レスミノスタット」(もしくはプラセボ)。それと同時に、標準治療である、抗がん剤「S-1」を併用して服薬している。第Ⅱ相試験。つまり、プラセボであったとしても、標準治療となるわけで、患者さんへの不利益はないであろうというもの。
服薬サイクル
まずは、2週間クスリを飲み続けるわけですが、最初の5日間は、朝夜に両方飲む。その後の2日間は、S-1のみ。また5日間は両方のみ、2日間はS-1のみ。それが2週間で1サイクル。その後、1週間休薬で、また次のサイクルが始まる。つまり、3週間で終わって、また次の3週間がはじまる。
現在、2サイクルと終えて、3サイクル目(7週間目に入ったところ)です。
吐き気、下痢
主治医などからは、出る副作用として最も多いのがこの二つとのことでした。これまで3年半にわたって抗がん剤治療をしてきて、吐き気や下痢には慣れてはいるものの、やはりクスリが変われば、怖さが出てくる。どんな程度で出るのか?というのは聞いたものの、個人差があるとか、そんな強くは出ないと思うとか、そんな回答でなかなか気持ちが落ち着かず、「とにかく、症状が出たときにすぐに飲める薬をください」と訴えました。すぐの処方してくれました。
実際にイマのところ、処方されたクスリを口にすることはなく、お守りとしての役割として機能してくれています。もちろん、吐き気が出ることはありますが、そんなに強いものではなく、安静にして時間の経過を待てば、引いていくようなものでした。
下痢については、ほとんど出ていません。これまでの抗がん剤では、便秘が副作用としてツライものだったので、逆に下痢になるぐらいほうがいいぐらいに考えていたりました。でも、便秘も下痢もなく、普通のお通じです。
色素沈着
これは、服薬をはじめて1サイクル目で出てきはじめました。自覚症状はないし、自分では気付かないんですが、なんかおかしいと思ったのは、やたらと会う人から「ヤケましたね。どこか行かれたんですか?」みたいなことを言われるようになったからです。
最初は、「そうなんですよ、ハワイに行ってまして。って、行ってないですよ」「この時期、こどもの運動会ですからね。って、冬に運動会ないですよ」とか、まったく笑えない話で返していたわけですが、さすがにこんな話題が続くはおかしいなと。
それから色々調べると、色素沈着という副作用があるということを知ります。顔はもちろんですが、手の指先、足の指先などは、よく見ると黒くなっているように見えます。これは服薬前との比較が出来ないのでなんとも言えませんが、多少黒くなっているように感じます。
ただコレは、痛みや苦痛を伴ったりするものではなく、現時点での出方であれば、大騒ぎするようなものでもなく、様子見といった感じです。
肌荒れ
いま一番ツライのは、これです。
2サイクル目ぐらいから徐々に出はじめて、最初は足がかゆいなとか、腕がかゆいなとか、そんな感じで気に留めていませんでした。しかし、そのかゆみが発生する箇所をみると、タダレていたり、赤みがひどかったりなど、これまでにないような皮膚の状態と見るようになり、これは副作用だと感じました。
手元にあったハンドクリームみたいなものを塗りながら、急場をしのいでいたわけですが、それではなかなか歯止めがかからず、足先から頭にいたるまで、かゆみやタダレ、かわめくれ、ぶつぶつ、にきびなどの症状が出るようになりました。
さすがにこれはと思い、通院時に主治医に話をして、保湿クリームやステロイド入りの塗りクスリ、抗アレルギー薬を処方してくれました。その日からは、風呂上りに、クリームやクスリを塗りたくる日々です。少しずつ症状は改善傾向です。
この肌荒れのなかでもツラかったのが、頭皮です。かゆみがでて、掻いてしまうと、フケのように、頭皮のカワがめくれて、ぽろぽろと落ちてくるわけです。色の濃いジャケットを着て仕事をしていると、肩口にそのフケのようなものが落ちて不潔に見られないかとか、かゆみが出ても掻けないので、イライラしたりとか。朝起きると、寝ているうちに掻いてしまっていて、枕元にフケのようなものが落ちていたり。
なんかこう、精神的にくるわけです。これは。
今は、もらったステロイドのクスリを、頭皮の患部に塗ったりしながら、なんとかやっていますが、これは、次回の通院時に、主治医に相談してみようと思います。
これから
採血のデータ、画像などを見る限りは、がんは大きくなっていないとのことで、この治験を続けていこうとなり、3サイクル目に入っているわけですが、この先、どのような副作用が出てくるかは、正直わかりません。
早くペースを覚えて、うまく付き合えるようになりたいものです。そして、少しでも長く続けることで、治療効果にも期待したいし、その先に、新たなクスリの開発に貢献したいという想いもあります。
誰がどう見ても、僕の状態では、イマの治療は延命治療であり、いつか亡くなるわけです。それは、全員亡くなるわけですが、みなさんより少し早く亡くなる可能性が高いわけです。
それまでに、何か一つでも、医療の発展に貢献できるのであれば嬉しい。
もちろん、キャンサーペアレンツの活動も後世に残すものとして、しっかり取り組んではいますが、それだけではなくという想いです。ちょっと欲張りでしょうか。
また新たな副作用が出てきたときには、お知らせさせていただこうと思います。
こういった些細な情報が、少しでもみなさんのお役に立てるのなら嬉しいです。
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