高校で「がん教育」
都内の高校1年生向けに、「がん患者が伝えたいこと」というテーマでお話をしてきました。
進学率の高い高校ということもあり、頭髪の色は真っ黒。いまどきの高校生を知らず、驚き。彼らは16歳。私は37歳。まぁ、こどもでもおかしくない年代ですから。そう思えば、コワイ・・・。
昨年もお話をさせていただいた学校なんですが、その時に「来年も元気に、この場に帰ってきます」とお約束をしたのを覚えていただいていて、「今年も!」とお呼びいただきました。ありがたいです。
生徒だけでなく、多くの先生がたにも聞いていただき、お話しのあとには、「私も関西の出身ですよ」「何回も笑っちゃいました」「友人ががんで」など、お声がけいただいいて嬉しかったです。
この後、また生徒の感想文を送ってもらう予定なので、それを見るのが今から楽しみです。
そして、来年も帰ってきます!と約束して、締めくくりました。
こういった活動を通じて、僕もたくさんの元気をもらっています。やっぱり、アクションすることは、ポジティブにつながります。
座談会の様子が記事になりました
メットライフ生命様との取り組みで、座談会を実施しました。
テーマは、がんと診断されたとき、家族でどのように向き合ったのか。このテーマを男性、女性それぞれで話しを伺い、どのような違いがあるのかを確認していきました。
その第1段が、公開となりました。
話は尽きることなく、長時間におよびました。
今年の5月のお話だったのかと思うと、感慨深いものがあります。
これから、続々とコンテンツがリリースされていきますので、是非ご期待ください。
それにしても、男女でこうも差があるものかと、驚きました。笑
※こういった取り組みを通じて、子育て世代、働く世代のがん患者の声を発信し、社会のがんに対する理解を広げ、がんになっても生きていきやすい社会を目指して、キャンサーペアレンツは活動を続けていきます。
ナオさんの日記(13)
死ぬときは、前のめり。
なんなんだこの言葉は!というぐらい、ナオさんにしか言えない言葉。
死を前にして、人は無力。でも、考えて、行動することはできる。事実は一つでも、その捉え方を、意味を、かえることはできる。
キャンサーペアレンツの出会いが、ナオさんの意思決定に影響を与えたことも、立ち上げたものとして、率直に嬉しいです。こうして、いろんな想いがつながっていくことが、気持ちを前に向かせるんだと思う。
具合が悪くなると・・・
昨日は、一日調子が悪く、だるーい感じでした。
頭が重いというか、やる気が出ないというか、神経が過敏というか。なんとも表現しにくい感じではあるものの、明らかにいつもとは違う感じでした。
普段は元気なのに、こういう具合の悪い瞬間があると、必ず「最悪のこと」を考えてしまいます。
このまま死んだらどうしようと。
がんとの闘病の中で、いちばん変わったのは、こういう気持ちなのかもしれません。僕の場合は、おなかにがん細胞がいるんですが、おなかがズキズキ痛むと、「やばい」と思いますし、体調が悪いと「やばい」と思います。
そんなときに限って、しかかっている仕事があったり、大事な予定を控えていたりするもので、「もうちょっと待ってくれー」となるわけです。
でも、これって、いろんな見方はあるものの、僕はポジティブに捉えています。最悪のケースを想定し続けられる、目の前にワクワクするイベントがある、あらためて「生きている」と感じられる。
なんか、いいですよね。
思考としては、「やばい」「ちょっと待ってくれー」「でもワクワクしてる」「生きてる」という感じでしょうか。
生きているから、やばいと思えるわけで。
願わくは、元気に長生きしたいものです。
放送されました!「がんを生きる新常識」
「医師の闘病から読み解く がんを生きる新常識」
3時間という長い番組ではあったものの、笑いも交えながらの展開で、個人的には楽しんでみることができました。
Facebookに少しだけキャプチャものせていますので、見てみてください。
再放送はされるのでしょうか。
少し間を空けてでも、また違う時間帯で放送して、多くの方に見ていただきたいです。
がんと就労の特集(テレビ東京)
テレビ東京の「ゆうがたサテライト」にて、「がん治療と仕事の両立」をテーマにした特集が放映されました。
「もやもやさまぁ~ず」でおなじみだった、狩野アナがメインキャスターをつとめる夕方の情報番組。僕はもやさまの頃から大好きです。
今回、働きながら、若くしてがんになった方にスポットをあてて、仕事との両立をどのようにしてきたのか、そして、今後の課題に迫る内容。
企業の支援ももちろん必要ではあるものの、ここに出てくるお二方とも、非常に前向きで、真摯に仕事や会社と向き合っていることがうかがえました。
社会的な支援体制を整えることは急務ではあるものの、やはり人対人の部分で、理解を促進するためにコミュニケーションをしっかりととる、という当たり前のことから行動していくことが求められているような気がします。
みんくるプロデュースとキャンサーペアレンツとのコラボ企画。
今回の主役の一人、関さん。キャンサーペアレンツの会員でもあります。
エン・ジャパン社で行われた、「がんと就労セミナー」の様子。国立がん研究センターの若尾先生をお招きし、また、私もがん当事者としてお話をしました。
企業の経営者、人事担当者向けのセミナーで、多くの企業にご参加いただきました。
クレディセゾン社の取り組み。復職プログラム。
安心して働ける環境は、成果を出したいというモチベーションにもつながります。私も、実感しています。
こうして、がん当事者の声を発信していくことこそ、働きやすい環境をつくるための一歩だと考えています。
今後も、キャンサーペアレンツとして、がん当事者の様々な情報発信を行っていきます。
今後とも、よろしくお願いいたします。
1歳の誕生日
2016年9月21日、一般社団法人キャンサーペアレンツを設立しました。
9月21日は、娘の誕生日です。今日9歳になりました。
そして、2017年9月21日は、法人の1歳の誕生日です。こどものためにつくった会社であり、娘の誕生日に設立しました。
2015年2月、私ががんの告知を受けたとき、娘は年長さんでした。
あれから2年半。すくすく成長し、今では小学3年生。当時の私が、元気に今を生きて迎えられることなんて、まったく想像できませんでした。しかし、現実に今があります。
本当にありがたいことです。
私の病状は、依然シビアなものです。
がん細胞は、おなかに中にしっかりとあります。
取り除くことができず、消えることもなく、これからもうまく付き合っていかないといけません。
過去から今を想像できなかったように、今から未来を想像することはなかなかできません。それでいいんです。今を生きていくことが、未来につながる。未来のことは誰にもわかりません。だから今を精一杯生きれるし、ワクワクがある。感謝の連続だし、有難いことばかり。
治療を粛々と行いながら、キャンサーペアレンツの活動をより進めていきます。
もっともっと、自身に向き合い、生に向き合い、死に向き合い。そして、がんのこと、がんを取り巻く環境のこと、がんと生きる人のこと、いろんな側面から情報を集めて整理し、社会へ発信していく。患者も一緒になって社会をつくっていく。
その先にきっと、今よりも生きやすい社会があると思う。
元気に長生きできたという未来があると思う。
1歳を迎えられて、「生きてた」というのが実感です。
まだまだこれからのキャンサーペアレンツ。これからもよろしくお願いします。
ナオさんの日記(12)
たしかに、がんになって良かったとは思わない。
でも、なった事実は変えられない。どう向き合い、何に気づき、生きていくのか。
死を意識することで、生きる意味を考えることができる。
がんになって、そんなことを思う。
子どもや家族のためにも、残された時間、僕は、自分のために生きたい。
港区の情報誌
港区立男女平等参画センター「リーブラ」。
定期的に発行している情報誌『OASIS オアシス』での特集、「がんの治療と仕事の両立」というテーマにて、お話をさせていただきました。
情報誌「OASIS オアシス」第54号を発行しました! | Libra[リーブラ]:港区立男女平等参画センター 格差のない地域社会を目指して
こちらからお読みいただけます。
歩み寄る
いち患者の立場として、よく聞かれることがある。
「どのようなサポートがあれば、良いと思いますか?」
「何か困ったことはありますか?」
この質問、ぼくはいつも答えに困ります。もちろん、不安な気持ちを取り除いて欲しいし、お金の手当てはして欲しいし、家族のケアもしてほしい。仕事も無理なく働けるようになればいいし、それはもういろいろあるけど、それって、そこに自分がいない。
なにか、患者としての権利を主張しているだけみたいで、なんかしっくりこない。
そして、そんなことわかってるし、サポートできるならしてるわ!と言われそうなことばかり。
キャンサーペアレンツの活動を通じて、僕が感じていること。
それは、決して患者は患者として振舞う必要はない。つまり、患者自身もがんを取り巻く「環境づくり」に積極的に参加して、サポートする側・される側の区別なく、一緒に創るということが大事だということ。
だからこそ、リアルな「声」を発信し、一緒に考える機会をつくる。場をつくる。参加してもらう。オープンな場にする。
患者中心ではなく、患者も輪に加わって、一緒に「生活」「社会」をつくっていく。患者も患者の地位に甘んじず、そして、それぞれの立場の人がそれぞれの立場に甘んじず、みんなができることの境界線を越えていく。それが歩み寄ること。
それが実現できれば、がんを取り巻く環境は必ず変わる。すぐにではなくても、こどもの世代には、よりよい環境ができているはず。
親の責任、キャンサーペアレンツの責任として、実行していきたい。
まだまだ至らないことはたくさんありますが、地道に着実に、前に進めていきます。これからも、よろしくお願いいたします。